本当にEVってエコなの? 発電方法と熱効率からEVと内燃機関を考える

最近EVのインフレがすごいです。

この程、フランス政府は2040年までにガソリンとディーゼル車の販売を禁止することを明らかにしました。

フランス政府、2040年までにガソリンとディーゼル車の販売停止を発表

PHVを販売OKとする向きがあるなら納得はしますが、レンジエクステンダー製品が使えなければ市民の生活はたいそう不便になることでしょうね……。

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ガソリン<EVと誰が決めたの?

そもそも、ガソリン車規制というのは、中国やらインドやらが自国の新興企業を援助して旧来の自動車会社を締め出すために始めた規制だと思っているので、そういう方向性を持たないフランスの自国産業は苦しい立場に追い込まれそうです。
ルノーとプジョーは苦境を迎え、国内には大量の失業者が流出し、結局のところ国内には海外から持ち込まれたガソリン車があふれるのではないでしょうかね~(*´ω`*)

まあそういった政治的な事情は置いておいても、ガソリン車とEVのどちらがエコなのかという結論は、正直まだ出ていないと思います。
「ガソリン車の方がEVよりエコとかありえないw」的な意見をたまに見かけますが、明確なエビデンスを出せと言いたい。
ていうか、頭のよさそうな人が何度も試算した形跡はありますが、内燃機関の技術の進歩もあって、未だに結論は出ていないと考えるべきではないでしょうか。

一番腑に落ちるのが、以下ですね。

(マツダ資料)SKYACTIVエンジン開発

この資料でマツダが提示している疑問点が、恐らく「EVってホントにエコなの?」と考えている人たちに引っかかってるポイントそのものではないでしょうか?

EVがエコかは国によって変わる

上記資料から引用すれば、まず6枚目のスライド、

マツダ_Well to Wheel

“Well to Wheel”というのは、

「母体となる燃料(ガソリンの場合は原油)から車輪を回すまで」

の効率を指し示す数字です。

上記を見れば明らかなのですが、ガソリンエンジンというのは圧倒的に輸送コストが小さい。
ガソリンなんてわかりやすい液体なので、当たり前ですね。
ただし、内燃の過程で大幅にパワーロスをしているというのが、上記の資料の示す(A~C)通り。

一方のEVは国によってまちまちですが、わかりやすく言えば

「火力発電に依存している国は内燃機関と大差ない」

というのが構図。
上図において、フランスがめちゃくちゃEVの数字が良いのは、原子力発電所に依存しまくっているからですね。
原子力の是非に関しては色々ありますが、少なくとも使用済み燃料の問題は解決していないので、あまり無条件に推すこともできないというのが私の本音です。

一方で、ノルウェーのように電気をほぼ水力発電に依存している国もあります。
これはもはや、政策としてEVを普及させるのは完全に合理的だと言えます。

つまり、EVがエコだと言えるかは、その国の発電環境によって異なるのです。

数字はもうマツダの出してる数字を信じるしかないのですが(色々な資料によって数字はそれぞれ数字が違うそうですw)、37km/Lというのが純粋なEVの数字なら、プリウスは既に超えている(カタログ燃費だけどw)ことになりますね。

火力発電所の熱効率ナウとエンジン

さて、火力発電所に依存する国にとって、重要なのが「熱効率」です。
熱エネルギーを、どれだけ動力エネルギーに変換できるかという指標ですね。

1000ジュールの熱エネルギーが与えられたエンジンが300ジュール分の動力を出力した場合、このエンジンの熱効率は30%である。

wikipediaより

世界各国の火力発電所の熱効率をアバウトに示してくれている資料が、東電に上がってました。

東電_火力発電所の熱効率国際比較
出展元:東京電力より

基本的には東京電力の火力発電はすごいよヨイショ資料なのですが(w)、世界各国の熱効率を比較するには非常に都合がいいですね。
中国とインドは、こんな状況でEVを国策化するというのは非常に動機がわかりやすくてヨロシイw
もっとも、両国ともこれから原子力シフトを敢行していくのでしょうが。

さて、肝心の自動車。
内燃機関エンジンについては、トヨタプリウスのエンジンが最大熱効率40%を達成しています。

トヨタの最高熱効率エンジン
出展元:トヨタホームページ

さらに言えば、新型カムリに搭載される2.5Lエンジンの熱効率はそれを上回るとか。
最大熱効率で言えば、トヨタの技術はかなりのところまでいってる。
旧式の火力発電施設など敵ではないというレベルに見えます。

ただ、自動車の場合むしろ大変なのはこれが「最大」熱効率であるということでしょう。
火力発電所との最大の違いが、ココです。
クルマというのは、常にストップアンドゴーを繰り返すもので、つまり熱効率がもっとも良いエンジンの使い方ばかりはできないわけです。

ここに着目したのがトヨタのハイブリッドシステムというわけで、つまり4代目プリウスというのは、苦手な部分を電池からのモーター動力で補いつつ、最強熱効率のエンジンを使いまくることができるという、夢のシステム。
平均してどれほどの熱効率になるのかはデータがありませんが、いまどき当たり前になってきたハイブリッドシステムって、実は結構スゴイもんなんですよね…。

もちろん、ガソリンエンジンの熱効率そのものは、同世代火力発電所に比べれば劣るでしょう。
自動車のエンジンが世代を経てパワーアップするように、火力発電所もパワーアップします。
最新の設備では熱効率60に届くらしいので、エンジンに比べて「分がいい」ことは間違いないでしょう。

ただ、都度メンテナンスによって性能向上は行われているのでしょうが、火力発電施設がまるごと最新に置き換わるのは結構なサイクル(40年ぐらい?)だと思われるので、エネルギー施設の回転効率は自動車の方が良い。
その差が出ているように見えますね。

そして、そもそも論として火力発電は、発電所からクルマに届くまでの送電ロスやら充電池の放電ロスやらが色々ある。
同じ熱効率であったとしても、ガソリンエンジンの方が「ロスが少ない」という考え方もあるのです。
このあたりのお話は、むちゃくちゃ難しそうなのでワタクシ手を出しておりませんw
専門家の方が頑張って研究されているそうなので、専門家の方頑張って下さいm(_ _)m

EVが絶対優位なこともある

ただしそもそも、EVにおいて内燃機関より優位だと確実に言える点もあります。
簡単に言えば、

「発電箇所が集中すること(CO2排出場所が集約されること)」

が、唯一ガソリンエンジンがEVに絶対にかなわないポイントではないでしょうか。
これは首都圏に集中しがちな大気汚染を避けるのに効果的であることは明らかで、EVのメリットであることは疑いありません。

一方で、電池というものが根本的に「貯めておけない」原理である以上、貯蔵コストに負荷がかかるのはEVの疑いようのないデメリットです。
現時点では、内燃機関の発電効率がまだまだ煮詰まっていないために、このデメリットを「補ってあまりある話」がEVにはあるわけなのですが。

こういった点を解消できるとして、トヨタが注目しているのが水素なわけですね。

「不便さを享受する」のはSE的に許せない

私、本業はSEでございます。
システムエンジニアというのは、システムをつくることで

「不便を解決する」

のが仕事でございます。
技術によって、世の中を便利にしていくのです。

そのため、EVというのはどうにも看過できません。
内燃機関が好きだという個人的傾注を差し引いても、あまりEVに乗りたいとは思わないのは、あの自称次世代ヴィーグルが根本的に「生活を不便にする乗り物」だからですね。

上記マツダの資料にも書いてますが、そもそも充電時間の問題がどうあがいても解決しないですからね。。。
最近では「道路に充電設備を埋め込む」という謎の技術もみましたが、その工事の方が非エコな気がしませんかね?ww

上はMyつぃーとなのですが、いい比喩だと自己満足してますw
最近のEV熱は蜃気楼にしか思えない。
まやかしに覆われていて、消費者に実態が上手く伝わっていないと思います。

上記のリンクで、航続距離が落ちたリーフのお話がありますが、個人的にはEV買うならこのリーフで十分だと思います。
何故なら、EVは近距離専用モビリティであるべきだと思っているからです。
航続距離を高めたければ、バッテリーではなくエンジンを積むべきでしょう。
その最適解を、トヨタのプリウスPHVが見せてくれたと思います。

すべての問題を劇的に解決できる手段は水素なのでしょうが、これにするとそもそも貯蔵のための変換過程でのエネルギーロスが多いという……。
なかなか難しい世の中です。

さしあたって水素またはバッテリーに技術革新が起きるまでは、

・近距離用のEV

・長距離用のPHV

というのが次世代技術で、それを前提に色々考えていくべきだと思うんですけどね。
リチウムイオン電池とか原材料の枯渇が○○年後とかって見えてたと思うので(60年後ぐらいだったかな?)、そもそも論もあるんですけど。。。

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