FCVとEVから見るトヨタのエコカー未来予想図。クルマの将来を真面目に考える

水素

すっかり「水素戦略」が外れた感のあるトヨタ。

プリウスPHVも発売され、今月のニューモデルマガジンXにはEVも特集されております。
ネットを見れば、「慌ててEV作って…」とか「水素とか無理だろw」という声も溢れていますが……。

ちょっと真面目に、未来のエコテクノロジーを考察してみました。

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エコカーの未来はあくまでもFCV


NEW MODEL MAGAZINE X (ニューモデルマガジン X) 2017年 04月号 [雑誌]

今月のニューモデルマガジンXの特集は、トヨタのピュアEVのお話。

詳細については本書を是非当サイトのアフィリエイトリンクからお買い上げ頂くとして(w)、デビュー時期の予想とトヨタのエコカー戦略の概要が書かれていました。
目新しい内容がそれほどあるわけではありませんが、注目すべきはやはり、

「トヨタの目指す究極のエコカーはFCVだが、環境規制の変化からEVをつくらざるをえなくなった」

というポイントでしょう。

これは「EV作ります宣言」した際にもトヨタが公式にコメントを出しています。
トヨタにとっての究極のエコカーは、あくまでも「水素」なのです。

EVもPHEVも”つなぎ”に過ぎない

FCVはあくまでも、インフラ整備と一体化した上でのエコテクノロジーです。
そもそも、水素がエコなのは産廃水素を使うという前提があるから。
そうでなければ、水から水素を作り出すのに結構な電力がかかってしまうという矛盾を超えられないですからね。
早急な普及が難しいのは仕方がないところです。

ただし、時代は割とノンストップ。

頭がおかしいんじゃないというレベルで、環境規制が続々と入ってきています。
ガソリン車に対する不当な締め付けだと憤ったりもしたいところなのですが、環境規制そのものはやらねばならぬ大事でありますので、全否定することもできません。

そのため、トヨタとしても「間の一手」を挟まざるをえなくなった。
今回のEVにしても、先日リリースされたプリウスPHVにしても、その「間の一手」なわけでしょうね。

この意見にはワタクシ、完全賛成でございます。
「水素とかワロスw」と言ってる方々は、物事の本質を見誤ってると思う。

EVの弱点と水素の長所

当サイトでは何度も言ってますが、EVのデメリットは航続距離なんかじゃありません。
ガソリン車と比べた最大のデメリットが、「充電時間」にあることは明白です。
私がEVなんて絶対に買おうと思わないのは、外出先で一時間もクルマ止めて充電するなんて絶対に考えられないからです。

だって、田舎のじーさんばーさん家に行ったときに、充電切れそうだったらどうするのさ?
施設のない田舎に長期逗留するシチュエーションぐらいざらにあるだろうさ。
家で充電できないなら、わざわざパパ一人で充電しに出かけるの? 30分も?

だって、旅行先で充電切れそうになったらどうするのさ?
どんなに燃費が良くなっても、永久機関なんて存在しない以上、長距離ドライブには絶対についてまわるリスクでしょうが。
旅行計画に「充電、30分」とか入れるの? イミフじゃね? ガソリンなら3分ですよ。

それは航続距離がどんなに伸びても、充電インフラがどれだけ整っても、解決することはほぼ不可能な「面倒くさがり屋の主張」だと思うのですな。
正直、日産もテスラも何にしてもEVの訴求戦略って、充電ステーションのインフラ整備だとか充電し放題だとかで色々言ってますが、何だかピントがずれてる気がするんだよなぁ……。

んで、そこを前提に入れて考えれば、FCVとEVを比べた上でのFCVの圧倒的な長所は、環境性能云々の話よりもまず、「充電時間がない」ことにあるわけです。
水素ステーションで水素を補充するのは、ガソリンの給油と感覚的には全く同じわけで。
未来のエコテクノロジーとして、効率性を考えても申し分ない。

プリウスPHVがトヨタのコンセプトを象徴する

トヨタの未来予想図は、完全にこの前提に立っていると考えるべきでしょう。
だからこそ、「次世代の本命」としてプリウスをPHV化したのではないでしょうか。

プリウスPHV
出展元:トヨタホームページ

EVではなく、トヨタはPHVを選んだ。
それはおそらく、長距離移動用のモビリティとしての「クルマ」の未来は、EVにはないと考えているからに違いありません。
いわゆるガソリン車の未来の姿にFCVがあって、その中間点としてトヨタはハイブリッドを普及していた。
これから先はそれがPHVに変わって、水素インフラの時代を待つというのが、トヨタの中長期的な戦略の答えなわけです。

それはあまりにも合理的で、あまりにも盤石に見ます。

それでもEVが社会に不可欠な理由

では、何故意識高い系がやたらとEV礼賛とFCVワロス発現を繰り返すのかと言えば、理由は大きく2通りあって、

「移動用モビリティのイノベーションを見据えて発言している」

か、

「意識高い”だけ”でオツムが足りない」

かのどちらかだと思います(笑)
本当の能力高い系と発言だけ”ぶってる”人との差はよく見てたらわかるw

EVを絶賛する真意

本当の「意識高い系」がEVを大絶賛する要素を聞いていると、その裏側には価値観の変遷が見え隠れします。

「移動用モビリティのイノベーション」

というのが、彼らがEVを絶賛する裏側にあるわけです。
つまり、彼らは「クルマ」としてEVが流行すると思っているわけではない。
EVが流行するのは、「クルマ」というものの価値が世の中において変化し、下落してしまう……移動用モビリティの世界にイノベーションが起こるという前提に立っています。
「クルマがEV化する」わけではなく、「クルマが衰退してEVが新しい移動手段となる」と考えているわけです。

この考えは、私も非常に合理的だと思います。
代表的な例で言えば、セグウェイでしょう。

既に東京のような都会では、自動車の保有率が極めて低い現状がある。
現時点でこんな状況なのに、EVやらPHVやらが出るや否や、何故だか飛ぶようにクルマが新しく売れるなんてのは、正直ありえない。
そういう環境下での小型移動用モビリティとして、EVが主流となるという考え方が根底にあると考えれば、納得できます。

テスラの売り方は例外的

なので、EV=テスラというような現在の風潮は、本質から遠い。

テスラがEVを売りまくって、NISSANがリーフを満足に普及できていない最大の理由は、まあ具体的に言えばデザインだったりするわけですが、より抽象的な概念に置き換えれば、

「商品戦略の差」

だと言えると思います。

テスラとイーロン・マスクのすごみは、大衆に「EVこそ次世代のクルマ」という『錯覚』を植え付けたことにあると思います。
これは結果論ですが、プリウスPHVのスペックを一瞥しただけで、クルマとしての未来がどこにあるのかは一目瞭然だし、アウトランダーPHEVの段階でもわかったはずです。
しかし、テスラは恐らく、その認識が社会に広まるまでにEVを「売り切った」。

日産との最大の違いはここでしょう。
カルロス・ゴーン率いるNISSAN勢は、完全に「EVの傾向」を見抜いていた。
故に、ノートはコンパクトカーとしてセグメントされたクラスに登場し、テスラのような高級車路線を歩みませんでした。
順当な判断をしたはずのNISSANが、非常識な判断をしたテスラに差をつけられたのは、マーケットの面白さを象徴しているようです。

それでも、全世界がEVへと言うのは悪い冗談

ですよねw

途上国を考えればわかりやすいのですが、各国の田舎において、EVが一気に流行ると誰が言えるでしょう?
リチウム電池クッソ高いし……。

自動車の「内燃機関」に未来はあるのか? 2017年クルマ業界展望

この記事が一番適格かなーと思いますね。

よしんば途上国にEVが普及し、一足飛びにイノベーションが実現するとしても、それはあくまで都会。
地方にはやっぱり、ガソリンエンジンを主体とした「クルマ」文化がまだまだ残るでしょうし、その延長線上にあるのはEVではないと思うのですね。

世界がトヨタを打倒するための手段とは…

というわけで、「トヨタが慌ててEV開発?」というのは、一面的には決して間違いではないものの、トヨタの描くロードマップにそれほど大きなズレはありません。
王者トヨタは、盤石でしょう。

ここを突き崩すイノベーションとしては、やはりEV時代において「クルマ」という価値観を覆すしかない。
言ってみれば、テスラはトヨタにとっての本質的な脅威ではない。
こと「クルマ」をつくる限り、トヨタの戦略に隙はないように思えます。
リチウムの採掘まで抑えてるとか、トヨタグループどんだけだよって感じですよねw

何だか真面目に書いてみたら、結構な分量になってしまった(´・ω・`A;;

本当はHONDAの記事についても書きたかったんだけど、まあいいかな~w

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