マツダが誇る3列シート大型ミニバン。
古くはボンゴフレンディの流れを受け継ぐ一台であり、マツダ車で最も「ファミリー需要」に応える一台として販売されてきたこの巨人も、終わりのときを迎えようとしています。
今回のエントリーでは、長きにわたりマツダ党なファミリー層を支え続けたこの巨人の、知られざる(?)魅力に迫ってみたいと思います。
これを読めば明日からキミも、ビアンテユーザーだ!!(違
サイコー空間と、マツダらしい3列目
このビアンテ、登場当初は「サイコー(最広)空間」という殺し文句を謳い、室内の広さとその使い勝手の良さを高らかに喧伝していました。
確かに室内はかなり広く、どのシートに座っても開放感に溢れています。
3列目シートは、このクラスにしては珍しく跳ね上げ式ではないため、着座の際のしっかりとしたシートの作りも中々のもの。
2列目だろうが、3列目だろうが。
座る人のことを大切に考えた、マツダらしいこだわりの一台だと思います。
が、しかし。
あんまり考えられてなかった模様なのがこの3列目。
着座の際のヒップポイントが高く、一方で床が高いため、成人男性が乗ると体育座りのような態勢になって非常に窮屈です。
また2列目下に足を入れるスペースがない点も、非常に大きなマイナスポイント。
多分、3列目を期待して実車を見た人の多くは、この実用性に一瞬で他社に寝返るでしょう。
同格であるノア&ヴォクシーやステップワゴン、セレナらの3列目は、広いです。
十分に大人が座ることが考慮できる3列目です。
まだオデッセイの方が座りやすいのではないかと思います。いやマジで。(あくまで座っただけの雑感でありますが)
視界の開放感やら利便性やら、wikipediaを見ますと当時のマツダが目指していたものが垣間見れるわけなんですが、そんなものを向上させる前に大人が座れる設計にしないとダメやろ! ……と、ネットの片隅で愛するマツダをdisりたい気分にさせてくれますw
膝まわりの余裕は「まあまあ」ぐらい。
プレマシーよりは楽ではありますが、他にハイトール型ミニバンに比べると、やや厳しいか。
(まあ問題はヒザ回りではないのですが…)
これで2列目は、
このぐらいのスペース。
まあ、普通でしょうか。
サイコー空間を謳っていますが、足元の事情的にそれほど広さを感じるわけではありません。
そんなビアンテが持つ最強の矛
ただし。
ビアンテには競合他車が持っていない、最強の「味」があります。
世界に一つだけ、ミニバンではビアンテにしかない、不思議な魅力があるのです。
そんな摩訶不思議なビアンテの魅力を、ご紹介致しましょう。
魂動(?)デザイン
実はビアンテは、マツダから結構「愛」を注がれたミニバンでもあります。
SKYACTIVが搭載された2013年のマイナーチェンジにおいて、マツダミニバンで唯一、魂動デザインを与えられているのです!
プレマシーでさえナガレ系列のままだったわけですが、愛を受けたのかタイミングが良かったのか……。
ともかくも、グランツという上級グレードにおいて魂動フェイスを装着!
マツダの代名詞とも言えるシグネチャーウィングも、掘りの深い顔立ちにしっかり刻まれております!
実際には正式に「魂動」というわけではなさそうで、あくまで「っぽいデザイン」ってだけなんでしょう。(マツダから魂動とアナウンスされてはいません)
ただし、それでも独自性の強いフェイスは立派。
デザインだけは、決して他のミニバンに遅れは取りません!
ナガレ(?)デザイン
とはいえ、マイナーチェンジで「魂動」が搭載されたのは、あくまでも「グランツ」という最上級グレード。
量販グレードは発売当初と同じく、「ナガレ」顔を継承しています。
まあミニバンなので他の第二世代商品群とは大きくイメージが違いますから、単純に「ナガレ」デザインだと言い切れるかは微妙なラインですが、少なくとも他ミニバンにはない流麗なフェイスラインは、間違いなくビアンテの個性。
フツーのミニバンに乗るのがイヤなら、ビアンテの個性的なスタイルを味わってみるのもまた、乙というものかもしれませんよ♪
(まあこんな顔があるから室内が狭くなるんだよという意見も…)
マルチリンク式のリアサス
リアサスがマルチリンク式なのは、居並ぶミニバンたちの中でこのビアンテが示す大きな個性。
マツダらしい、「例えミニバンといえども、乗り味には妥協しない」という強いメッセージが感じられます。
じゃあセンターメーターやめてくれよなんてことは間違っても言ってはいけませんw
マツダは精一杯頑張ってくれています(汗)
惜しむらくは、パワートレインがSKYACTIV-Gの2.0という現実ですが、これもかなりいいエンジン。
パワーウェイトレシオ的な上限は致し方ありませんが、軽快なレスポンスで今もマツダの主戦力として活躍を続ける名機です!
SKYACTIV-AT
他にどんな欠点があろうとも、関係がない。
他が追随できない、たった一つの矛がある。
そう、ビアンテは、クラス唯一の6速AT搭載車なのです!!
マツダの誇るSKYACTIV-AT。
その官能的なシフトフィール(言い過ぎ?w)を堪能できるのは、このクラスのハイト型ミニバンではビアンテだけであり、ミニバン全体でも他にプレマシーがあるのみなのです!
……いやまあ、マツダのミニバンって他にMPVとかなので、仕方ないですけどw
唯一無二!
CVT嫌いな私がビアンテに感じる最大最強の魅力!
嗚呼麗しきかなSKYACTIV-AT!
神様仏様マツダ様土井淳一様であります!
マツダミュージアムに飾ってあるよ!
……はっ!?Σ( ゚Д゚)
いかんいかん、暴走してしまった……( ゚Д゚A;;
でも、ATという変速機を選べるミニバンは、もはやビアンテ(&プレマシー)のみです。
昔のミニバンは4速ATとかあると思うけど、そういう意味じゃないです。
CVT全盛の日本車事情に納得されてない方には、このビアンテは強力なレコメンド・カーになってまいりますよ!!
鬼値引き
旧世代マツダ車で、しかも販売が終わろうとしている車種ですので、値引きはハンパないらしいですぜ奥さんww
実際問題、結構ガリガリ引いてくれるようです。
交渉したことはありませんが、グランツでも競合車のエントリーモデル並で買えるとかって噂があったり無かったり……。
まあ当サイトは値引きゴリ推しサイトではないので、値引き額の保証は致しかねますゆえ、……みなさん交渉頑張ってくださいねw
ビアンテが売れない理由とは……
正直言って、この商品が売れることはかなり考えづらい。
いや、上述の通り大好きなミニバンですけど……。
それでも自分で買うかと考えたらかなり疑問符がつきます。
理由は先述した通り、3列目の「座れない」感です。
これは正直、背高ミニバンとしては致命的。
3列目をフルに使いたいから、オデッセイやMPVといった流線型のミニバンではなく、箱型のミニバンが売れるのです。
3列目が妥協できるのなら、むしろプレマシーやMPV買う……ってかそれこそオデッセイの先代がいいなぁとか思ってしまうのですよ。
つまり、走り好きでクルマ好きなオッサンに訴求するにしても、何か違う。
3列目を重要視する層には使い勝手で負ける。
3列目を軽視できる層にはこのクラスは不要。
そもそもの前提で、顧客がいないクルマなのではないでしょうか。
確かに、6速のSKYACTIV-ATというリーサルウェポンは備えています。
MPVがこれを搭載していない以上、変速機+室内の広さで言えば最強のミニバンと言えるかもしれません。
ただ、それでは奥さんの「買うならあなたのお小遣いナシ!」攻撃を回避することは難しいのでござるなぁ……ニンニン( ゚Д゚)
そして地味な問題点は、中古車で買うにしてもSKYACTIV搭載モデルはまだまだお値段が高いのよネェ……(´・ω・`)
でもそれ以前のATモデル買ったら本末転倒だしなぁ…(それでも足回りはチートな模様ですがw)
というわけで、本日はマツダの誇る美しき巨人、ビアンテに焦点をあててみました!
実はうちのRX-8がビアンテになる可能性も、まだソコソコ残ってるんですよ~w
コメント
あなたはビアンテとほか車種を乗り比べたことがないでしょう。ビアンテに乗ったかも疑わしいです。
ノア、セレナ、ステップワゴンと比較すると、3列目のシートは最もまともで、乗り心地は圧倒的に良いです。シートが板のような他ミニバンとは比較にならないほど快適です。
また、足元が狭いと言うことはなく、体育座りにもなりません。万が一なるとしたら、それは2列目との調整の失敗が原因でしょう。
3列フル乗車を考えるなら、アルファードクラスか、そうでなければビアンテが一番マシです。折り畳み椅子レベルのノア等はまず選択肢から外れます。
ハコバン乗りさん、コメントありがとうございます♪
3列目のシートがもっともマトモなのは仰る通りだと思います!
やっぱり、クラス唯一の跳ね上げでない折り畳み式のシートが強いですね♪
ホールド性(?)的な観点で言えば、ビアンテが一番だと思います!
ありゃ……体育座り感出ませんか?
ヒザ回りは全然余裕なんですが、足元が狭いというか、足下部分がやや窮屈なんですよねぇ……(*´ω`*)
アイシスと似たような印象でした。当然ビアンテの方が色々広いんですが。
私は173cmぐらいの背丈(しかも短足w)なんで、そんなに大きい人でもないと思うんですが、今度もう一度確認してみようかなぁ……。
確かにシートの作りの良さとトレードオフを考えれば、ビアンテも立派な選択肢になってくるかもしれませんね!( ゚Д゚)ノ