水素社会ってどこまで来てるの? FCVの現在地を探ってみた

水素ステーション

ワタクシ、基本的に内燃機関ダイスキーな人間なわけであります。
ありますがその一方で、将来の環境事業を鑑みると、最終的にすべてのクルマがモーター駆動になるのは、まあ仕方がないだろうなぁと思ったりもします。
核融合みたいなエコでスーパーな発電システムが現実化したら、合理性は完全に電動化車両に移ってしまいますからね(^^;

ただ、そのときに行き着くのはEVではなく水素(FCV)なのではないかな~と思っております。
個人的にはその水素をロータリーエンジンとかで燃やしてほしいわけですが(w)、まあNOx出たりするのでしょうし、マツダ藤原常務も「水素は燃料電池」的な発言をされてたと思うので、中々遠いお話なのかな~(^^;

さてその水素社会。

現在盛んに聞こえてくる論調は、「水素社会はかなり遅れてしまっている」「時代はEVだ!」というお話ですが、いったいどこまで来ているのでしょうか?

自分の勉強もかねて、「水素なう」をまとめてみたいと思います(^^;

スポンサーリンク
レクタングル大

水素(FCV)が電気(EV)よりも優れている点は?

運用面を考えると、FCVがEVより優れている点は明らかで、

「充填時間が短い」

コレに尽きるでしょう。
EV最大のデメリットは充電時間であることは疑いないわけですが、水素ならほぼガソリンと変わらない手間で充填することができます。

それとは別に、水素というエネルギーの特性としては、やはり、

「輸送」

「貯蔵」

にこそ本領があると言われています。
ていうか、トヨタさんはそう言ってますし、それは事実にも思われます。

EVにおける送電・放電ロス

電気の場合、輸送時に失われる電気料(送電ロス)は、全体の5%程度存在するようです。(環境や距離によって異なる)

送電ロス
出展元:東京電力ホームページ

加えてEVの弱点は「貯蔵」という部分にあります。

電気は「ナマモノ」です。
使わずに貯めておくことには基本的に向いていません。
その前提に完全と立ち向かったのが「電池」の技術なわけなんですが、もっともすぐれた性能を持つリチウムイオン電池においても、充電⇒放電のロス(エネルギー効率)は95%と5%程度の損失は発生します。

電池エネルギー効率資料
出展元:経済産業省

同時に、長期間保存しておいた際には自然放電の現象が回避できません。
この自己放電量もまた、電池によって性能が大きく異なるわけですが、リチウムイオン電池をもってすれば月に5%程度(環境により異なる)。
これについては、EVとして使用する分には、ほとんど気にならないレベルだと言えますが、根本的に電池が長期間の「貯蔵」に向いていないことは、何となくわかりますね(*´ω`*)

つまり、超簡単に言えば、EVというのは

「発電所からバッテリーに入るまでの間に5%」

「バッテリーに貯めた電力を使う際に5%」

の合わせてだいたい10%程度(超ざっくり計算)の損失があることがわかります。

水素の場合のコストはフクザツ…

一方で、水素。

当然、輸送コストはゼロではありません。
この輸送コストは多分に物理的で、つまり、「水素生成現場から水素ステーションまでの輸送にかかる燃費」が輸送コストそのものです。
もっと言えば、トラックを製造するコストそのものが輸送コストになります。

……むむむ、何とも難しいお話になって参りました(*´ω`*)
ただ、水素ステーションで生成された水素を、そのままFCVに重点するなら、水素のみに限れば輸送時の環境負荷はゼロということもできます。(本当は原材料の輸送コストがかかるが、それは電気も同じだしね)

そして、水素社会が描くビジョンの真骨頂は「貯蔵」でしょう。

水素は基本的に気体なので、貯めておくことができます。
EVと違って全くロスが出ないかと言えばそんなことはない(例えば貯蔵のために水素を圧縮するのにエネルギーが必要だったりもする)のですが、この貯めておく部分がミソです。

たくさんつくって、貯めておく。

これは自己放電という弱点を抱える電池にはない、水素ならではの長所です。

水素はどうやって作るのか?

さて、一方で水素の作り方です。
これがまた奥が深くて……難しいと同時に面白いんですが、わかりやすい考え方としては以下の2つを上げておきます。

水蒸気改質

現在、世の中の主流。
工業用商業用に水素をつくる場合、この「水蒸気改質」という方法がメインです。
化石燃料などと水蒸気を反応させ、水素を作成します。

米国では年間900万トンの水素を製造し、そのほとんどが天然ガスの水蒸気改質によるものである。2004年に水蒸気改質から得られた水素を用いたアンモニアの世界的な生産量は1億900万トンだった。

Wikipediaより

とまあ、この通り。

ただ、この方法では化石燃料と水素を反応させるために、CO2やCOが発生してしまいます。
例えばメタンと水素を反応させる水蒸気メタン改質では、

CH4 + H2O → CO + 3 H2

CH4 + 2H2O → CO2 + 4 H2

というような反応になるとのことです……ムズ……(*´ω`*)

で、超単純計算では、生成されるのは「水素が4に対して二酸化炭素が1」という割合に落ち着きます。(実際にはそんなに単純な話ではないのでしょうが…)
分子量で言えば、水素を1gつくると一酸化炭素が5~6g出来てしまうという単純計算になってしまいますね。。。(化学に詳しい人、間違ってたら教えてください……orz)

最近ではブルネイの化石燃料から水蒸気改質で水素を製造し、その水素を日本に輸入する実証実験がはじまろうとしています。

実証ではブルネイのBrunei LNGの天然ガス液化プラントで発生するガスを利用し、新たに建設するプラントで水蒸気改質を行い、水素を製造。これを海上輸送して、日本に運ぶ計画だ。

水素を東南アジアから日本へ、海を越える水素サプライチェーン実証が始まる

計画では、水素の輸送量は1年間で最大210t。
燃料電池車4万台をフル充填するに相当するとのことです。

確かにトヨタさんのホームページによると、MIRAIに充填可能な水素量は、

、現行の水素ステーションで、SAE規格(J2601)の標準条件で充填した場合の使用可能水素量は約4.3kgです。
タンク内容積は、2本合計で122.4Lで約5kgの水素が車両に搭載可能です。これを水素貯蔵(可能)量と呼んでいます。

トヨタホームページ:MIRAIについての質問より

ということで……のっけから値がズレててイミフですが、まあ細かいことは考えずにキリのいい5kgを採用!w(値がズレてる理由は上記のサイトをご覧下さい)

つまり、

210t ÷ 5kg = 42,000

ということで、満充電可能なMIRAIの数は約4万台なわけです。ハイ。

何だか多いような、少ないような………。

年間4万台と考えれば、一か月でだいたい3,000~3,500台でしかありません。
加えて、水素をタンカーで運ぶわけで、それって結構輸送コスト多い……?(*´ω`*)

まあ、実証実験の段階なのですけどね(^^;

水の電気分解

中学校か小学校かは忘れましたが、水は電気分解することで酸素と水素になるというのは、割と基本的な理科の話です。

となれば、考えられるのは当然、

「水を電気分解して水素を取り出す!」

という選択肢なわけです。

……わけなのですが、そこに降って沸く当然の疑問が一つ。

「いや、それそのまま電気として使った方がよくね?(´・ω・`)」

では、太陽光発電のエネルギー変換効率を考えてみましょう。

一般的にな太陽光パネルのエネルギー変換効率は、20%ぐらいでしょう。
では、水素に変換する場合はどうでしょう?

ちょっと古い記事ですが、以下のような実績があります。

理研は、太陽光エネルギーから水の電気分解により水素を製造し貯蔵するシステムを開発。シンプルな構造で安価なシステムを実現し、エネルギー変換効率15.3%を達成したという。

太陽光エネルギーを水素で貯蔵、変換効率15.3%を達成 

15.3%!?Σ( ゚Д゚)

確かに電気を直で生産するのに比べれば低いですが、これは結構実用的な数字に見えます…。

また、これは明らかに研究段階のものですが、25%近い変換効率を成し遂げたという発表もあります。

東京大学と宮崎大学はこのほど実際の太陽光による電力から水素を生成し、太陽光エネルギーの24.4%を水素として貯蔵することに成功したと発表。これは世界最高効率になるという。

太陽光による水素製造、宮崎で世界最高効率24.4%を達成

後者は置くとしても、前者のような「エネルギー変換効率15%」が達成されれば、太陽光発電でそのまま電気をつくるシステムと比べても、それほどそん色がないような……。
もちろん、5%の効率ロスは大きいのでしょうが、電気エネルギーにも送電・貯蔵ロスが発生するので、その差は徐々に縮まっているのかもしれません。

他にも色々と研究されている水素製造方法はあるようなのですが、さしあたって現実的なものはこの二つになりますね。

さあ、それではこれからが本題です!

という、この私の何となくなつぶやきを、検証してみたいと思います!!
……次回にw

検証のための下調べのつもりで本記事を書き始めたら、死ぬほど時間がかかってしまいました……水素って奥が深いですね……(*´ω`*)
次回がつまり本番ですww

シュワッチ!!(/ ゚Д゚)/

この記事が気に入ったら
ぽちっ♪とお願いします!

スポンサーリンク
レクタングル大

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
レクタングル大

コメント

  1. より:

    色々ありますが水素のメリットとされてる充填にも課題はありますよ。なかったことにされて有耶無耶にされてますが。
    高速充填できるのは今のところ最初の2,3台だけですよ。プレクールで冷やす必要があるからですが、それ以上に対応しようとすると冷却機の設備がえらいことになりますので。

    あらかじめ冷やしてない水素充填しようとすると30分以上はかかるのでEVと対して差はないです。

    • セトシン より:

      あさん、コメントありがとうございます♪
      お返事が遅くなりましたm(_ _)m

      プレクールの問題は知りませんでした!勉強になります!!
      調べてみますね、ありがとうございます♪
      水素充填用にかかる圧縮にもかなり電力を食うようですし、未来のエネルギーの実用化には、まだまだ技術的なハードルが高そうだなぁと、調べれば調べるほどに思ってしまいました……。。。
      頑張ってもっと勉強します!( ゚Д゚)ノ